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インタビュー:KNOW NUKES TOKYO 高橋悠太さん


KNOW NUKES TOKYO は今年5月、核兵器禁止運動を東京で広めるために発足されました。今回この代表である高橋悠太さんにお話を伺いました。



―広島や長崎以外の出身の人たちは、小学校の時から平和学習で核のことについて考える機会が比較的少ないと思うが(もちろん平和学習はある)、そういった人たちが核を禁止することを考えることも重要だと思います。その辺についてどう思われますか?


「我々の世代は核時代の当事者だから、重要だと思います。今地球上には13,000発の核兵器があり、それは被爆地であろうとそうでなかろうと関係がありません。ただ、広島や長崎以外の出身者は核問題について考えるタイミングや切り口がないかもしれないですね。広島は小・中・高にかけて平和学習が充実しており、平和学習がおのずとアイデンティティになります。」



―9月26日のシンポジウムで、核兵器廃絶後、何が外交関係の抑止(※)力になるかという議論が行われていましたが、今現在外交関係において、核兵器のほかに何が抑止力になると思いますか?個人的に核兵器は本当に究極の武器だと思うので、ほかに抑止できるものがないのだろうかと思ったのですが…。


※「抑止」…押さえつけてそのことをやめさせようとすること。


「核兵器は抑止力とは思っていません。核兵器は守るというより脅しですね。核兵器があるから核戦争にならないということはありません。何かを「無い」という証明は難しいです。例えば、「紛争がない」ということの要素は、外交かもしれないし、武力による威嚇かもしれなく、または市民外交のおかげということもあります。これまで核攻撃がなかったのは、核兵器があるからそれがなかったのか、それはわからないです。つまり、「核兵器が抑止力となって核攻撃がなかった」というのは幻想にすぎません。それよりも、強固な関係性あるいはお互いを抑止し合うような関係性に変わっていくべきです。これ以上武力はあってはならないと思います。具体的には、相互依存とか相互信念といったような、相手がいるから自分がいるというマインドを持つことが重要です。相手国と自分の国の関係性がいい形で進展していけば、経済的に攻撃は回避できるのではないでしょうか。市民外交や経済外交は最も持続可能な抑止力となります。


「市民一人一人がつながっている」ということも重要ですね。たとえば、オランダはNATO加盟国で、アメリカの核兵器を自国に配備しています。オランダの国会議員の中には核兵器が必要だと思っている人もいます。しかし、オランダの市民団体が日本の被爆者を招いた時に、参加者でもとはかなりの核武装論者だった一人が影響を受け、考えを改めないといけないと思った、と言ったんです。このことは市民がつながりを作り、変わっていったことの良い例です。だから、市民の協力が必要だと思います。」



―(岸田政権が誕生したばかり&選挙が迫っていることもあり)岸田首相に期待することはありますか?


「核兵器禁止条約が重要だとはっきり言っていることはいいことです。しかし、そろそろ具体的に動きを示すべきなのでは。


-核兵器禁止条約の加盟国でないと意思決定権を持たないが、日本が意思決定権を持たないオブザーバーとして参加することはとても有意義なことだと思います。なぜ政府の中でオブザーバー参加に否定的な意見があるのでしょうか。


「核抑止さえも否定する核兵器禁止条約の国際会議に参加することはあまり良くないのではと思います。。アメリカとの関係も少なからず影響しているでしょうね。」


◆感想


高橋さんからは、核兵器廃絶を達成しようという強い意志が伝わってきました。


核兵器がもし実際に使われてしまったら、その影響は計り知れません。


この事実を私たちも認識し、広島・長崎の経験を聞き、一人一人が自分の頭で考え、意見を持つということが非常に重要なのだと思いました。そのことが、市民レベルでの活動として大きな力を持つと信じています。



・9/26核兵器廃絶国際デーシンポジウム動画


KNOW NUKES TOKYO公式サイト



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