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作品紹介~映画「我が友・原子力~放射能の世紀」

関西初公開という映画「我が友・原子力」を見る機会があった。

2020年10月18日ドーンセンターで「原発も核燃もいらん!2020 関西集会」の中で小出裕章さんの講演「再処理工場の大事故は防げるのか」の前にこの映画が上映された。

映画はフランス語のナレーション(国際版・字幕付き)で始まった。監督は渡辺謙一さん。

冒頭福島の原発事故が出てきて、丁度福島沖洋上でトモダチ作戦中の空母ドナルドレーガンの乗組員が知らされないまま被ばくした事実その後の彼らの証言。一方、福島県民のうち三春町だけが町長の判断で町民にヨウ素剤カプセルが渡され、県からは回収せよと言われたが、服用した後だと町長の話。

2章では、ビキニ海域での核実験による多くの操業中の漁船の乗組員の被ばく、第五福竜丸だけではなかった事実。いまだに訴訟が続いていること。

3章では、ラジウムガールという聞きなれない言葉が。ピエールキューリー、マリーキューリー夫妻の生み出した放射性物質の産業応用によって、時計の文字盤に蛍光塗料を塗る作業に携わる女性工場労働者ががんに侵されたという歴史的事実。

4章では、広島・長崎の原爆被災者を治療と称して研究材料にしていたこと。核実験に参加した米軍兵士も同様に被害者であり、チェルノブイリの作業に当たった兵士・消防士も、同様の悲劇にあっている。

第5章終章では、60年もの歳月の間隠蔽されてきた事実に目覚め、裁判に立ち上がって戦い始める人たちを描いている。


映画は始めから終わりまでドキュメンタリー手法で写真と証言で構成され、日本では作れない作品だったと監督の話。近現代史の中で、核の人に及ぼす様々な被害と差別、棄民の事実を語っている。

核がある限り、世界が核を手放さない限り、これらの事実は過去のものではなく、これからも知らないところで起こり続けるのではないかと実感する。

「核と人類は共存できない」と言い続けてきた唯一の被爆国のYWCAの一員として知る努力をしていかなければと思う。         


HARA TOSHIKO

【投稿記事】



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