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作品紹介 〜児童文学で読むヒロシマ『ふたりのイーダ』〜

松谷 みよ子 著 司 修 絵

講談社青い鳥文庫/680円+税



主人公の直樹と妹のゆう子が、夏休みに訪れた古い城下町で迷い込んだ廃墟のような洋館。そこではコトコトと動き回る不思議な椅子が、家のあるじとその孫娘イーダの帰りをいつまでも待っていた。

椅子はゆう子を見て、イーダがついに帰ってきたと喜ぶが、紀元2605年(1945年)8月6日で止まったままの日めくりを手掛かりに、原爆がこの館の住人にもたらした運命と「イーダ」の正体が徐々に明らかになる。ゆう子がイーダではなかったと知りバラバラに砕けてしまった椅子に、原爆への怒りと、時を経ても決して癒えることのない喪失の悲しみを思う。



参考・画像


Aki Yoshida

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