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ひろしま旅 〜『しずかに歩いてつかあさい』と広島平和記念公園〜



みなさんは、『しずかに歩いてつかあさい』という詩を読んだことがありますか?

私は、2017年のひろしまを考える旅で、この詩に出合いました。


今は、新しげな建物のえっと見える
この川辺りの町全体が
昔は
大けい一つの墓場でしたけえ
今は車のえっと走っとる
この道の下で
うじ虫の湧いて死んで行った
母を焼いた思い出につき刺されて
息子がひていじゅう
つくなんで おりますけぇ
(中略)
広島を訪れる人々よ 
この町をあるくときにァ 
どうぞ いきいきしづかァに
こころして
歩いて行ってつかァさいや……
のう……
(「しずかに歩いてつかあさい」(詩:水野潤一)より)



以来、平和記念公園を歩くとき、川のほとりを歩くとき、広島の街中を歩くときはいつも、そこに原爆の犠牲になった人々が眠っていることを覚え、心して歩くようになりました。なぜなら、そこは、大きな大きなお墓なのですから。


現在の広島平和記念公園のあたりは、江戸時代から昭和初期まで、つまり1945年8月6日、原爆によって一瞬のうちに破壊されるまで、広島市の中心的な繁華街でした。被爆後、1949年8月6日に公布された「広島平和記念都市建設法」に基づき、翌年から爆心地周辺を恒久平和の象徴の地として整備が始まり1955年に完成しました。


これから広島を訪れるみなさんは、どうぞ時間と気持ちに余裕をもって。あわててバタバタと走らなくてもよいように。ひろしまを考える旅は、巡礼の旅でもあるのですから。


幕谷安紀子

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