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座談会 「聞いてみようやぁ、語ってみようやぁ、ひろしまを考える旅」



2020年11月1日


2020年度ひろしまを考える旅ボランティアリーダー(ユースメンバー)の企画により、

この度の企画に関わる委員会のメンバーに、改めて旅の魅力や関わりを伺う座談会を開催しました。


普段の委員会では話すことのなかった、ひろしまを考える旅への熱い想いや、ユースへのメッセージを伺うことができました。




司会進行


ひなちゃん(福島県福島市・2017年の「ひろしまを考える旅」からYに関わる)

ちろる(神奈川県横浜市・2018年の「ひろしまを考える旅」からYに関わる)


対談参加者

樋口さやかさん(東京都・2007年からYに関わる)
永冨彌古さん(広島県呉市・19歳で会員になって58年)
木村浩子さん(広島県呉市・呉YWCAに係わり46年)
難波郁江さん(広島県安芸郡・広島YWCA会員になって会員歴37年)
吉田亜希さん(北海道札幌市・会員歴19年)


Q1:

皆さんは「ひろしまを考える旅」に

どうして関わっているのですか??



樋口さやかさん

中三の時に参加した「ひろしまを考える旅」に参加した時、呉で自衛隊の、本当に大きな船を見たというのが、結構衝撃で。日本は、1945年に戦争に負けて戦争のためにお金をかけたり、他の国と戦うようなことだったりをやめたと思っていたのに、「日本の戦争の歴史、戦争をする罪って、まだやっているの?」っていうのが、びっくりするくらい自分のなかで怒りになっていました。いまもその時の思いに突き動かされている感じです。また、(旅の運営に関わりはじめてからは)素敵なロールモデルとなる女性が周りに本当に多くて、そういう方たちみたいになりたいな、という思いに突き動かされています。


永冨彌古さん

私は、「“伝えていく”っていうことをしない限りは、国家権力によって死した名も無い人間の死は、なかったことにされてしまうな」ということを実感してきています。

ひろしまを考える旅が8月6日前後に実施されるということの意味も、大切だと思っています。

また、私自身も高校生の時、学内や校外でのキリスト教の行事を通して、自然の中で感じたり考えさせられたりした経験は、いまだに大きな柱として残っています。だから、「ひろしまを考える旅」を通して、やっぱり若い時に現地に立って感じ考えて、大人たちの動きを知るっていうことは、とってもいい伝えの学びになると考えています。


木村浩子さん

どうして関わったかというと「フィールドワークをするからお前も出ろ」といわれたから(笑)。

「ひろしまを考える旅」が始まることは、一緒に活動していたさまざまな人たちから聞いていて、「呉でフィールドワークをするからお前も参加しろ」といわれたのがきっかけ。

なぜ続けているかというと、やめるきっかけがないから(笑)


難波郁江さん

私はですね、被ばくした家、90年たった家に住んでいるんですよ。小さい時から被ばくした壁とかいろんなものの中で住んでいて、「原爆にあうようなことに絶対なりたくないな」と思っていたのが一番最初のきっかけなんです。そして(被ばくした家を)ずーっと見て過ごしてきたから、何とかしてその恐ろしさを伝えたいなという思いが自分の中にありました。

小さい頃からのそんな思いが募ってきて、社会人として東京から広島に戻ったのと同じころ、東京の教会から広島府中教会に戻ってこられた宗藤牧師という方がいました。今でこそ教会での平和教育はあたりまえですが、当時、しかも教会の幼稚園での平和教育は、なかなか受け入れられず、周囲との軋轢もありました。今思うと、とても先駆的だった宗藤先生の方針に対して、ずいぶん生意気なことも言ったと思います。

そしてその中でYWCAとの出会いがあり、そして留学生とも関わりました。その留学生はマレーシアの学生でした。それ以前から南方特別留学生(※)については「ひろしまを考える旅」の中で取り上げられていましたけど、その留学生が80年代に、日本の教科書とマレーシアの教科書の違いということを語ってくれたその衝撃、それが、「ひろしまを考える旅」に真剣にかかわろうとなったきっかけじゃないかなと思います。

(※)アジア・太平洋戦争中の1943年から1944年にかけて、大日本帝国政府が東南アジアの各占領地区から招いた国費留学生。



吉田亜希さん

私は「ひろしまを考える旅」との関わりは短くて、2017年からなんですけれども、(関わっているのには)2つ理由がありまして。

私は札幌YWCAでずっと平和について考える「ピースアクション委員会」に入っています。10年くらい前だったと思うんですけど、そこから3名が、「ひろしまを考える旅」に参加したことがありました。その報告会を聞いて、彼女たちがすごく素晴らしい体験をしたと言っていて、「(自分も)参加してみたい!」と思ったことがきっかけです。特に呉のフィールドワークに参加した方の話が、本当に印象的でした。

それともう一つは、日本YWCAは戦後ずっと、平和の問題の、憲法と核の2大柱について取り組んできました。私は2013年から2016年の間、日本YWCAの「憲法チーム」でずっと憲法について学んできました。今度はぜひもう一つの柱である核について、核兵器についての問題について学びたいなと思って、運営メンバーに入れていただきました。でもなかなか学びは尽きませんね。


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Q2:

皆さんの考える、

「ひろしまを考える旅」の魅力を教えてください。



樋口さやかさん

人との出会いです。「こういう方みたいになりたい!」というロールモデルに会えたことや、被ばく者の方との出会いであったり、リソースパーソンの方々との出会いというのも、自分が生きる中で何をなすべきかを考えるときに常に示唆をくださいますし、自分自身に色々な問いを問うきっかけをくれます。一参加者である以上に委員としてのほうが対話をする機会が多かったので、それが魅力だなと思います。



永冨彌古さん

やっぱり一つは原爆の現場を訪ねるということ。現場を訪ねるとその地の歴史や人の営みが見え感じる事が出来ます。二つ目はたくさんの人との出会い、特に若い中高生にとっての女性としての・大人としての姿、すごく魅力的な存在である先輩たちとの出会いは、人生の大きなポイントの一つになるんじゃないかなと思います。


木村浩子さん

やっぱり、実際にその場に立って自分の五感で感じて、第六感でひらめく、っていう体験ができるということだと思う。情報量は多いけれども、自分を通すっていうことができる場所だと思う。それと、いろんな素敵な女性の生き方っていうものに触れることができるっていうのも。女性だけじゃなくて、講師の方がいるときには、講師の方の生き方、価値観に触れることは素晴らしいことだと思います。


難波郁江さん

いい講師に出会うっていうのは、広島にだけいたらできないこと。会えない人にも会えるし、また広島で素敵な人を皆さんに紹介することもできるでしょ。やっぱり、異年齢の方とのプログラムじゃないですか。これが一番の魅力ですね。仲間がいっぱいできるじゃないですか。

私は、昔から年上の人とばっかり付き合っていて、「難波の友だちは60歳以上にならないと友だちになれないのかね」と言われるくらい、被ばく者とのかかわりが多かったですね。戦争中の話とか、私が聞き出すのが上手だとか皆さんに言われるんですけど。(被ばく者の方からは)「しゃべるつもりはなかったのに」と言われてしまうんです。「(そのつもりはなかったのに)話している間に、被ばく体験を語っている」と。私は、それを紹介したいなと思っていて。

この旅は、私にとってはすごくライフワークだなと思っています。ありがとうございます。


吉田亜希さん

私も、今、皆さんがおっしゃったとおり「人と場所との出会い」という言葉に尽きるかなと思います。被ばく者の方や、「『夏の花』(原民喜著)を歩くひろしまコース」のフィールドワークの講師である竹原陽子さんなど、リソースパーソンの方々に出会えたことは、私にとってかけがえのない財産になっています。

場所という面では、札幌からだと、(飛行機を)乗り継いで企画会議に参加するんですよ。会議だけに参加するのはもったいないと思って、一泊自分で延ばして、「なるべくいろんなところに足を運ぼう」と思っていきました。なるべく、被ばく建物であったり、被ばく樹木であったり、栗原貞子さんの墓所であったりちょっと遠くにも行きました。埼玉ですけど、丸木美術館にも行ったりしました。これもやっぱり、「ひろしまを考える旅」に参加したからこそのことだと思います。



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